キュイキュイの日


*9月1日はキュイキュイ、つまり静雄の日!ということに三十分前に気づきましたというお話。下書きクオリティー。ヒロインがひたすら静雄をキュイキュイしてるだけ。微エロというか下ネタだと思います。キュイキュイ!




朝起きたら、が乗っていた。
仰向けに寝ていたのが敗因だ、静雄は寝ぼけた頭で考える。
しかし腰の上に大股開いて見下ろしているポーズは……。
さらに彼が目が覚めたことに気づくと、彼女はにっこり笑って胸元に手を付き、顔を近づけた。
簡単に言えば押し倒されているポーズ。
柔らかい髪が彼の頬をくすぐり、妖艶な瞳が誘惑した。

「おはよう」
「……おはよう」
「起きた?」
「多分」
「下半身くらいの勢いで目を覚ましてくれると嬉しいな」

言って腹部をなぞる細い指。

「だあーーー!! 朝っぱらからなんだよ!!」

勢いよく上半身を起こすと、腕を背中に回し胸元にスリスリしてくる

「怒った?」

可愛い。ヤリたい。
でもこういう時は絶対何か企んでいる。
見てろよ俺だっていつまでも単純ではない。なんといっても先週、調子に乗って平手打ちを食らったばかりだ。
落ち着け俺、平静を取り戻せ!!
絶対罠だ。
念じて視線を落とした。
すると甘える様に傾げられた首。

「今日何の日か知ってる?」
「はへ!? ……九月一日」

カレンダーを確認して、ついでに心臓の鼓動を収める。
しかし彼女は静雄の努力を一瞬で砕いた。
花の蕾が綻ぶ様に笑う。

「九月一日と言えばキュイキュイ! 静くんの日だよね?」
「は? いや意味わかんねぇけど」

はおかしなテンションで、静雄のスウェットに手を差し込んだ。

!?」
「だからキュイキュイします」
「どんな理屈だよそれ!?」
「理論はありません。愛はあります」
「おい!?」

止めさせようとあげた右手。
彼女はそのまま口元に確保し、指をしゃぶった。

「ん、ちゅ、う?」

人差し指をねっとり舐め上げる。
次いで中指。
首を傾げる姿はつまり「あれ? キュイキュイ言わない」と言ったところだろうか。

「よ、よく考えろ。俺の指を吸ってもキュイキュイなんて音出るはずないだろう」
「きゅ?」

じゃあどこならいうの?……その前に指を口に含みながら見つめるのヤメろ。理性が死ぬ。

「静くん」

たっぷりと人の指を弄んだ後、抱きついて奪われたくちびる。
差し込んだ舌先にアルコールの苦みが広がった。

、お前酔ってんのか!?」
「全然」

とろんとした目で言った。
次いで首筋に吸い付く。
ちぅ、ちゅ、ちゅ。
卑猥な音色が空間を支配した。
追いつめられた男は後ずさって叫ぶ。

「ちょっとまてぇーーー!!!」

這いずって逃げるも狭い部屋のこと。あっという間に肩が壁に当たった。
結局制止叶わず、彼女が寝入るまでの一時間、キュイキュイの日という名の我慢大会が続き。そして、



ぜってぇ仕返しする!!
静雄は心の中で叫び、幸せそうに丸まって眠る彼女を横目に、涙目で仕事の支度を始めるのだった。