微エロなお題より

  1. キスとキスの合間に
  2. 濡れた瞳は君のサイン
  3. 「おいで」とその目に導かれ
  4. 君の吐息は僕の媚薬
  5. 愛する程に苛めたい
  6. 泣き顔にすら心震える
  7. そんなんじゃ足りない
  8. あなたが起こしてくれるまで

恋したくなるお題よりお借りしました。普段よりエロ寄りなので15歳以上の閲覧推奨です。ちなみに超短文。いつにましてラブラブにエロな二人のお話。
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2010.07.11

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キスとキスの合間に

「……んっ」

合わさったくちびる。
少し息苦しくなって目を開くと、伏せた瞼が見えた。
呼吸のため少しキスの角度をずらす。すると追従する様に動き、後頭部が大きな掌で押さえつけられた。
多分、わざとじゃないと思う。
だけど苦しい。
さらに一分。静くんの肺活量がとんでもないことが確認された。

「……っんんー!!」

ギブギブ!
離そうと彼の鎖骨に手を添え、押し返す。でもそれをどうとったのか、激しく絡み付く舌先。
気持ちいい……けどそろそろ酸欠で死ぬ。

「ん!んんっ!!!」

バンバン叩くとようやくわかってくれたのか、くちびるが離れた。
大きく息を吸い込み、上目づかいに睨む。
すると、

濡れた瞳は君のサイン

はなんつーか、ほらあれだ。
エロい。
言動はお姉さんって感じなのに、行動が艶かしいというかヤル気を起こさしめると言うか。
今もまた潤んだ瞳で熱い吐息をつき、俺を見つめていた。

誘われてる?

キスしたしな。
その事実に踊り出しそうになる胸の内を隠して───勢いよく押し倒した。
……考えたら隠せてないな俺の胸。
でもくちびるに吸い付こうとした瞬間、思い切り後頭部を叩かれた。

「馬鹿!!」

次いで激怒。
……なんでだ?
女ってわかんね。
叩かれた後頭部をポリポリ掻いて、彼女を見つめた。

「おいで」とその目に導かれ

静くんが飼い主に怒られたワンコのように黄昏れていた。
ため息をつき、膝に乗る。
次いで叩いた部分を撫でた。
なでなで。

「静くん」
「なんだよ……別に痛くはないけど」

言いかけたくちびるを塞ぐ。

「しよう?」

離れて、小首を傾げた。
するとワンコ耳がぴくりと動き、しっぽをブンブン振る。
そんな幻覚が見えた。

君の吐息は僕の媚薬

彼女の吐息が首筋を甘く撫でる。
背中に回された小さな手が爪を立て、皮膚に跡を残した。

(消えなければいいのに)

感傷的な思いに、

愛する程に苛めたい

「静くんってマゾ?」
「……な!?」
「だってこんなことしても怒らないし」

言って白魚の手が滑る。

「……っ!! いやだってそこはさ……」
「うん、ここは?」

ニコニコと笑う
彼女の笑顔が絶えることはなかった。

泣き顔にすら心震える

女を泣かして喜ぶ趣味はない。
両親からも、「女の子には優しく」と躾けられて来たし、この力だ。中学に入学した頃には近寄ることもその逆もなくなっていた。
だから女を泣かして喜ぶ趣味なんてないと思っていたし、そんな機会は訪れなかった。
だけど、

「っ……! ちょっと待って……しず……っ」

その顔はなんといえばいいのか、イイと言えばいいのか、でもこれって女を泣かせた範囲にはいるのか?ない交ぜになった思いに、浮かぶ涙を舐めとった。

そんなんじゃ足りない

静くんは超人だ。
銃で撃たれても、ナイフで刺されても、強力に改造されたスタンガンを押しつけられてもピンピンしている。怪力が目立つため注目されにくいが、真にすごいのはその「回復力」なのだろう。
それは構わない……彼の悩みだったことを考えると軽く扱える問題ではないのだが、私はどんな彼であろうと愛してる。愛してる、けど。

「もう、無理……」

吐息混じりに告げると、耳元で聞こえた口説き文句。
だって……もう五回目だよ?
お姉さんそろそろ身体がもたない。
回復力……回復力って恐ろしいものだよね。

あなたが起こしてくれるまで

静かな寝息を立てる彼女を起こさない様に、ベットから抜け出す。
振り返えれば、曲線を描くシーツと所々に赤い跡をつけた肌。
静雄は頭を掻き、スウェットのズボンを履いた。
そして寝台のそばに跪く。

「……にゅにゃ……」

謎の寝言を呟く顔を見つめ、頬をつつく。
滑らかな触り心地に目を細め、伏せた瞼を見つめた。
そして唐突に頬を染め、ベットの横に座り込む。

「やべ、俺今幸せかも……」

掌で顔を覆う。
次いで柔らかいくちびるを指先でなぞった。