冷血Girl

そして始まる今日


も桜蘭高校志望するんだって?」

長い髪がさらりと流れた。大きな瞳。目前の友人が真っ黒な瞳をくりくりさせて見つめていた。
彼女の名前は藤岡ハルヒ。
そう彼女は桜蘭高校ホスト部ヒロインの藤岡ハルヒだ。でもセーラー服に長髪で……つまり中学生だなのだ。そしてその目前にいる私も同じくセーラー……だけどコスプレではない。一応言っておくと趣味でもない。
……まったく、どうしてこんなことになったのか。

こんな時思い返 されるのは十四年とちょっと前、私は都内某所でOLをやっていた。東京タワーを望むまぁ、普通よりちょっといいかなーくらいの企業でだ。
そしてある朝起きたら赤ん坊。これってスペクタクルにワンダフル。金◯一を呼べ!
所謂生まれ変わりなのだろうか。
でも死んでないのに、生まれ変わるなんて有り得るの?そんなチート行為が許されるわけ? いやもうホントこれなんて名前のどっきり?早く看板持った司会の人出てきてよ。
とまあ当初は私も悩んだ。
しかし一年ほどでどうでも良くなる。
ちゃんご飯でちゅよー」なんて乳を押し付けらて、赤ちゃんプレイを強要されるんだよ。
なんだ屈辱プレイか。
それから十年ちょっと。
なんでいきなり生まれ変わってんだ、とか部屋に残してきたあれやこれのことは未だもって気になるが、もう諦めた。
それに折角の人生再スタート。やりたいようにやるっきゃないでしょ。今なら宇宙飛行士にだってなれちゃうのさ、なんてね。
ということで私は適度にタラタラしつつ、自分がやりたい勉強のみした。こう見えて結構勉強家なのだ。当然学校の勉強はしなかったけどね!
うははははー!
おっと失礼。
そして土日は都会のオアシス高尾山へのハイキング……改め自然観察会。
◯×自然観察会とかのおじさんやおばさんと一緒に山に登って、虫とったり鳥見たり植物観察したり。いや超楽しい。KY発言しても子供は無邪気で可愛いで済ましてくれるんだもん。
子供さいこー!
しかもアイスやらお団子やらジュースやら食べ放題、飲み放題。おじちゃん、おばちゃんありがとう!愛してる
とまあそんな風に過ごし、私は中学生になった。当初はすごく気が重かった。だって中学と言えば急に厳しくなる校則と上下関係。そして教室内いじめでしょ?それって好き勝手にやっていた元OLとしてはかなりめんどくさい事態なわけですよ。
でも私はそこで彼女と出会った。
彼女───藤岡ハルヒと。
ハルヒってまさか……ねぇ?

ここ桜蘭高校ホスト部の世界だったのかよ。






ま、





漫画の世界だろうと結局やることは同じか。それならそれで楽しくやるしかないっしょ!
ということで物語は幕を開けたのだった。





以下反転であとがき
はじめてしまいました、桜蘭高校ホスト部シリーズ。
彼女がこの世界に来た経緯からスタート。
このお話以降は時系列関係なくアップしていく予定です。