冷血Girl

体育祭編その一

色々あって、体育祭が開催されることになった。
体育祭。
体育祭、か。
……めんどくさいな。
机に頬杖をつき、校庭を眺めた。

「「!」」
「何か用?」
「……、ごめんね」
「ハルヒは気にしなくていいんだよ。どうしたの?」

微笑みかけると、双子がブーイングをする。

「体育祭が決まってからやけに、機嫌が悪いよね?」
「つまり運動神経に自信がないってこと?」

そっくりの顔が並んでニヤニヤしている。一瞥くれて、視線を外に戻す……フリをしてデコピンをかました。
バシンバシンと二回連続でいい音が教室に響き渡る。

「「いたっ!」」
「おー」

ハルヒが拍手してくれたので、ピースサイン。
そして双子の反撃に先んじて先ほどの質問に答えた。

「運動神経は、普通くらい?」
「じゃあなんでそんなに嫌がってんの?」

双子の、どっちだろう。薫かな? 薫(仮)に体を捻って答える。

「私の趣味が山登りだって知ってるでしょ。基礎体力はある、というか付けたのよ。それで普通レベルってこと」
「つまり基本的には良くない?」
「大正解」

会話が成立したので、薫で当たりかな。
正面をむき直し、机に両肘をついてため息をついた。

「それに」
「「「それに?」」」

三人の注目が集まる。

「スポーツの練習をするくらいなら、バードウォッチングがしたい」
「……ああ」

ハルヒが頷いた。
でも学校のイベントである以上、出ないわけにもいかない。いやこの学園のことだから可能かもしれないが、それをやると環先輩がウザくなりそうだ。周りから浮きすぎるのもどうかと思うし。
仕方ない。
多分体育祭の最中、起こる珍事件を遠巻きに楽しむにはどうすべきか考えながら、休憩時間を過ごした。
まあ……結果として遠巻きところか変なタイミングで主役にされてしまうわけだけど。
2013.03.10 This fanfiction is written by Nogiku.